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智美
『私立樺山学園高校』は落ちこぼれが行く高校である。
桃井律夫の長女、智美は生徒会長ではあるものの樺山学園に通う劣等生、一方の次女の礼子は、進学校の蓮見高等学校通う優等生だったために、智美は礼子からも日々バカにされる始末。在籍校のことで姉妹はギクシャクした関係であったが、両親は智美のことを認めており、特に母の松江は毎朝自宅の前を歩いて通学する樺山学園の生徒達に笑顔で挨拶をして元気づけていた。
ある日、樺山学園の教師であり智美の学級担任でもある酒田が「おまえら!恋をしろ!恋を!」と授業中に叫びだした。
問題教師で教え子に手を出したって噂もある。
「どんな甘い果実も酒で割ると悪になってしまう。レモン割りはナカナカ美味いですな?」と、ジョークを飛ばした小泉って学園主任を酒田はボコボコにした。
後日、酒田は自身の大学受験における挫折を智美達に語り、その話に感動した智美は自分の悩み・苦しみ・悔しさ・怒りなどを本音で酒田に語った。
「バカ山とか言われて困ってるんです」
「仕方ないだろ?地名が樺山だからな?」
「妹からもバカにされるんです」
「だったら辞めるのか?言っておくが日本の企業は冷たいぞ?大学出たって分からない」
佐伯は机を殴りつけた!
「だったらどうすりゃいいんだ!?」
「恋をしろ!勉強ばっかじゃつまらんだろ?何にも見えない。守りが出来るとな?人は逃げなくなるんだよ?」
酒田は懲戒免職になった。
「どーしょもないがアンタよりはマシだったな?」
代理の小泉を佐伯はなじった。
小泉は読書の時間にマンガを読んでいた智美を叱りつけた。
「小説にしろって言っただろ?」
『ブギーポップは笑わない』確かにマンガっぽい表紙だが小説だ。
「よく読んでみろよ?」
パラパラと捲った。
「フンッ、こんなもんは小説じゃない」
「智美に謝れ!」
「大人に対してなんだ?その態度は!」
「アンタって名前も小さいが、中身もちっちゃいな?」
智美は佐伯とつきあうことになった。
処女も捨てた。
10月の文化祭、一部の心無いOB達が中傷に乗り込んできた。
「カーバ、カーバ、カーバさん」
OB達は智美の描いた『Mな警官』ってマンガをライターで燃やした。
「確かにカバだな?こいつ、ドMなんだぜ?ついでにコイツも燃やしちゃえよ?」
佐伯のせいで男性恐怖症に陥った智美は……つづく。
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