0人が本棚に入れています
本棚に追加
佐伯
「世の中を変えたいとは思わないのか?」
志子田勇一は口癖のように言っていた。
シコタユウイチ。
面白い名前だ。
志子田とは子供の頃、将棋クラブで一緒だった。
さすが、東大に行く奴は言うことが違う。
俺は女子のケツばっかり見ていたし、世の中のことよりサッカーに夢中だった。
「シコシコ、どうでもいいけど獲っちゃうよ?」
「そのシコシコってのやめてくれへんか?うわっ!頓死かよ?」
頓死とは本来は詰まなかった玉が、逃げ方を間違うなどして詰まされることだ。
旅館の窓から舞鶴港が見える。
鴎が低空飛行している。
「bad・breathがしてるな?」
俺は美奈から教わった《汚い英語》を思い出した。さぁ?スマホのまえの君?分かるかな?
ヒントは、○○便所だ。
「ひでぇな?おまえだってチーズみたいだぞ?」
志子田が憤慨する。
「かんにんやで?刺さないでください」
最初のコメントを投稿しよう!