認めない人

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 その後、 村上はみつばと欽二に説教されて以来 積極的には健康の相談には乗らなくなった。 「村上さんは本来立派な医者だったから、 行き過ぎた事をしたと思ってるのかもしれないね」  健太が忍に話した。  数日後、 村上の知り合いの男性が尋ねて来た。 村上の亡くなった妻の弟、神田良介。 「姉が亡くなった時、大喧嘩して絶縁状態になりました。 村上に会う気もないんですが、どうしても 姉が不憫で・・・」 「どういう事ですか?」  みつばが訊いた。 村上は妻の面倒を見た、自分が医者であるから 他の病院に行く事もなかった。そして死亡、 死亡診断書も村上が書いた。 「診断は心不全でした」
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