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「多分、どこかで引っかかってんだよな、地上にさ。そのせいか、どうも仙人相手に、認識されにくいし、記憶に残りにくい。何かのはずみで、すっかり忘れられることもあるし、普通に覚えてもらえることもある。法則は、俺にもわからない」  不思議だろ、と問われて、俯く。確かに、その通りだった。ずっと覚えられなかったナオも、不意に草吾を認識して――そうしてまた、忘れた。  そこで、はっとする。 「……まさか、草吾さんに仙人がいないのは」  草吾と顔を見合わせる。今更なのか、まあな、と口調は軽かった。 「付けられないんだよ。何にも悪くないのに、いきなり記憶障害とか言われたい奴いないだろ?」 「……」 「半分だよ。俺の中は……半分が、死神。で、もう半分は――あいつらに似ていると思ってる」 「あいつら?」 「曖昧で、どうにもならない、あいつらだよ。生きていない。魂でもない。穢れが混じった――色にするなら、灰色の何か」  同じく異端で、身動きが取れない――地上にとどまる標的と呼ばれるモノ。     
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