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つまり、普段から散らかっているから、変化が分からない…と、言う事だろうか。
しかし、ただ散らかっているだけで済んで良かったとも思う。
「家が無事でよかったですね」
緋浦を家へ招き入れるが、リビングまで来て緋浦は立ち止まった。
「なんかどっかで見た事のある顔だけど…誰?」
翔を見て目を細めるから、翔が笑い出す。
「噂の緋浦先生?兄貴から聞いてるよ。解剖医なんでしょ?俺、野本翔です。よろしく」
名前を聞けば分かったようだ。
「ああ、アイツの弟?通りで顔が似てるはずだ。…っていうか、どっか行くの?荷物まとめて……」
「あの…父の家に行こうと思ってたんです。良かったら緋浦先生も一緒にどうですか?」
そう訊くと、緋浦は嬉しそうに笑った。
「行く!あの神藤先生のお屋敷でしょ?結構有名なんだよね。すごい豪邸だって。ラッキー!」
いい大人が本気で喜んでいる様子を見ながら、彩香はまた荷物をまとめ始めた。
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