ブラックアウト

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この調子だと充電はすぐになくなりそうだな…と、思いながらも、他に情報を仕入れる手段がないから、黙ってそれを見ていた。 一番欲しい情報はそのテレビでは流れなかった。 ただ、北海道全域が闇に包まれている事だけは分かった。 こんな大変なことになっているなんて、思いもしなかったのだ。 「なんで電気…消えたんだろ……」 バッテリーの問題もあって長時間見ることのできないテレビでは、常に新しい情報を流すテレビから欲しい情報を探し出すのは困難だった。 彩香が見ていないときに放送されたのかもしれないが、ネット検索しても地震直後じゃ書き込みも無かった。 朝方4時を過ぎて、もう一度寝ようかとベッドへ戻ってみたが、散らかった部屋が気になって横になる気にもならない。 大きな地震の後、また大きな余震が起こる可能性があるとテレビでも言っていたから、今から片付けてもまた同じことが起きるかもしれないと思い、そのまま放置した。 またリビングでぼーっとしていると、携帯が鳴り出す。 着信画面は『野本純一』と表示している。 すぐに電話に出ると、スピーカーの向こうから心配そうな声が聞こえてきた。 『彩香?大丈夫ですか?』 「はい。野本さんは?怪我無かったですか?」 『俺は大丈夫です。ただ…しばらく帰れそうになくて……』
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