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どうしてこうなってしまったのだろうか――そう自分に問いかける。しかし、答えは闇の中。あの日、彼女が消えていったのと同じ。
僕たちは、あの日、付き合って二年目の記念日を迎えたのだった。
高級レストランへ行き、高級なシャンパンを開けた。栓が抜けるとき乾いた音を立てた。
僕は、彼女と別れたかった。彼女はどう思っていたか知らない。
ただ、二人の間には、シャンパンの音のように、乾いた空気が漂っていた。
きっと、二人とも、相手が別れを切り出すのを待っていたのだろう。
自分から言うのは、億劫だし、罪悪感が残る。相手が言ってくれれば、気が楽だ。
そんな風にして、僕たちはだらだらと、無為に交際を続けていた。
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