0人が本棚に入れています
本棚に追加
三保の松原羽衣伝説ウォーキング殺人事件
ある夜、幸町東公園で休んでいた長尾勘次郎は背の低い男が落としたビニール袋から人間の手足がこぼれ落ちるのを目撃する。不審に思った長尾は男の後を追いかけ、ドラッグストアに入るところを確認する。
翌日、長尾はドラッグストアを訪ね店員に背の低い男について尋ねるが、「心当たりはない」と店員に追い返されてしまう。
薬局の周辺の人々も背の低い男に覚えがないという。何ら手がかりを得られないまま船宿末廣に行く途中、長尾は実業家の法印龍作の妻・昌枝に遭遇する。昌枝は妹の夫、宇津木英介が失踪したと述べ、捜査のために探偵の剣持広太郎を紹介して欲しいと長尾に懇願する。
長尾は清水駅近くで人材派遣会社を営んでいた。
剣持の貧窮時代、長尾は剣持と一緒に生活したことがあり、明智とは顔なじみであった。
屋敷は厳重に戸締まりをしていたにもかかわらず、ある日突然、英介が姿を消してしまったという話を英介の妻の蒔絵から聞いた剣持は宇津木邸を徹底的に捜索し、ピアノから英介のものと思われる髪の毛とヘアピンを発見する。
さらに使用人から事情聴取をおこなった剣持はゴミの回収があって間もないのにもかかわらず、外に置いてあったゴミ箱がいっぱいになり、区役所の清掃職員がゴミを回収していったという話を聞き出す。そこから、明智は英介はいったんピアノの中に隠された後、ゴミと一緒に外に連れだされたのではないかと推理する。
ゴミ集積センターに行くと死体はなかったが、アルバムを発見した。
そのころ、静岡駅近くのとある百貨店の呉服売り場のマネキン人形の片手が人間の男性の手とすり替えられるという事件が起こる。
剣持は密かにその手の指紋を入手し、英介の部屋に残された指紋と照合すると、指紋は一致した。前夜、その百貨店では宿直員によって背の低い男が目撃されていたが、その男は忽然と行方をくらませていた。さらに宇津木邸に男性の手が送りつけられる。この手の指紋も英介の部屋に残された指紋と一致した。
一方、昌枝は何者かに呼び出され、怪しい男と密会する。昌枝の様子を不審に思った長尾は昌枝の後を追いかける。
「人のことを昌枝と呼ぶのはやめて!」
「臭いんだよ!」
あぁ、魚の餌にマサエってのがあったな?
逆上したマサエは男を刺そうとした。
「そこまでだ!」
最初のコメントを投稿しよう!