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くずもの入れがあった。 私はその中に入ろうとした。 思った以上に狭くてうまく入れない。 くずもの入れにすら受け入れてもらえないのか私は。 一般人は珍獣を見たような反応をしている。 今更、怪訝そうな目で見るのは可笑しな話だ。 くずもの扱いしたのは貴女達だろう。 私はそれを素直に認めようとしただけなのに。 貴女達は存在すべき場所に収まろうとする私をまだくずもの扱いするのか。 いったいどこまで自分を貶めれば私は赦されるのか。 くずものはくずもの入れの中に入ればよいのだろう? それとも何だ? 私はくずものよりももっと下のモノだと言いたいのか。 黙ってないで口にするがいい。 口で言えば、おとなしく従うことくらい知っているだろうに。 私は赦されるのであれば、どこまでもこの身を貶めよう。 それでも何も言わないのか。 いいだろう。 くずもの入れに入れないなら、私は車輪の下に入ってやろう。 社会の底で溺れる私は死という救いに酔った恥ずかしき青年だ。 この汚物が此方(こちら)と彼方(あちら)の円環を身を以て体現するのだ。 選ばれなかった貴女達よ、些細な代償に辟易するがいい。
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