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「当たり前よ!あなたは犯人よ!動機も証拠もアリバイも、何もかも揃っているわ!あなたが罪を償うその時まで、見届けてあげる!」
「ありがとうございます!その言葉が聞けて安心致しました。それでは私はこのあたりで失礼致します」
影は深々とお辞儀した。
「何を言っているのかさっぱりだわ!あなたは完全に包囲されてる!上も下も目の前も!この袋小路に入った時点で、あなたは文字通りの袋の鼠!逮捕されたいんでしょ?じゃあ無駄な抵抗はやめて、ちゃっちゃと両手を差し出しなさい!」
「全くそのつもりでございますとも。しかしその前に、一つ魔法をお見せ致しましょう。今日この日、この時の為だけに身につけた秘術でございます」
ソフィアの顔に緊張が走った。
「…何をするつもりかは知らないけど、魔法なんて使わせるはずないじゃない!抵抗するって言うなら、腕に物を言わせるしかないわね!」
刑事は自身の魔力を右腕に込め、影に向かって駆け出した。
「全く刑事殿はせっかちですな。では参ります。先程の言葉、ゆめゆめお忘れ無きよう」
そう言うと名探偵は両手を高々と天に掲げた。刑事はそこに向かって疾走する。
『世の理を司りし天輪よ、新たな常世へ廻せ!メテンプシューコーシス!』
『正義を我に、光を我が拳に!ユスティーツィア・プグヌス!』
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