第二章 雪泥鴻爪

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 股から離れていくショーツの股布部が、みだりがわしい光沢を放っている。それが藤田の目に入ることを恐れた潤はとっさに彼の手を掴んで制した。  片眉を上げて驚きのまなざしを送ってくる藤田に怯えた視線を返すと、彼はなにかを悟ったのか薄く口角を上げた。手を優しくさすり、不安を和らげるような笑みを浮かべる。その静かな微笑の裏には底なしの欲望が隠されているのだろうか。  するすると脚をくすぐるレース生地は左の足首にまとわりついた。それをそこに残したまま、一番敏感な場所に熱い舌が吸いついた。 「ああっ……」  小さな一点に注がれた、極上の感覚。粘膜に覆われた筋肉がしなやかに蠢き、潤みをかきまぜる音を立てながら秘芯を愛でる。
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