第三章 一日千秋

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 ぷくりと膨れる淫芽を中指で小刻みに震わせながら、きつく結んだまぶたの裏で自身を扱く彼の姿を思い浮かべる。 「あ……昭俊さんが、自分で」 『想像しているの?』 「んっ、う、ん」 『いけない人ですね』 「昭俊さんだって……」 『うん、僕も想像している。潤さんが自分でしているところ。今どういう状態ですか』 「あふっ……ん……」 『潤さん。ちゃんと答えて』  口調こそ乱れていないものの、その低い声が熱を帯びているのがわかる。 「私っ……す、すごく、濡れて……」 『ああ、うっ……ん』  彼の声が途切れた。そのあとに訪れた情欲的な余韻は、あの野生的な濃い眉が悩ましげに寄せられているさまを思わせる。 「あ、熱いのっ……」  潤はうわずった声をあげ、目を開けた。下半身を包む人工的なぬくもりが煩わしくなるほど全身が熱を持ち汗ばんでいる。左手にあるスマートフォンを耳から離してハンズフリー通話に切り替え、手放し、こたつを脱すると、ジーンズとショーツをすばやく脱いだ。
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