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ふいに穂先がかすかに先端の尖りをかすめ、潤は息を呑んだ。悦びを堪えているのではない。羞恥と嫌悪に耐えているのだ。
「あいつだろう。もう寝たのか」
「……っ」
目を見ひらいた潤はなにひとつ悟られまいと歯を食いしばる。ただの勘違いであると思わせなければならない。だが誠二郎はなにもかも知っているのだと言わんばかりに冷笑を浮かべる。
「ここに、突っ込まれたのか……あいつの……」
股の間に無理やり差し込んできた膝を突き上げながら、彼は品のない言葉を吐いた。
陰裂を割るようにして押しつけられたスラックスの生地が敏感な皮膚をぐりぐりとこすり上げてくる。あるひとつの目的をもって。だが夫の狂気により一瞬で血の気が引くように潤いを失ったそこは、何者の侵入も頑なに拒もうと無反応を貫く。
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