第三章 一日千秋

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 いきり勃つものを目にして薄い笑みを浮かべた美代子は、唇をすぼめて口をもぞもぞと動かすとおもむろに下を向いた。上品な仕草で口元に手のひらを近づけたかと思えば、わずかにひらいたその口からはとろりとよだれが垂れ流れた。  言葉を失ってそれを凝視していると、唾液を乗せたその手がふたたび屹立を握ってきた。粘液を塗りつけるようにしてさきほどより力を込めて肉棹を扱く。隔てるものがなくなった分、より強く感じる。 「うあっ、あっ……」  うわずった声をあげれば、美代子はしたり顔でさらに口から唾液を出してみせる。それは水飴のようにどろりと流れ落ち、先端の丸みを潤ませた。濡れ膜に覆われた淫柱は彼女が手を上下させるたび、にちにちと粘着質な音を発した。
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