第三章 一日千秋

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「……もう黙れ」  低く呟き、腰を突き入れた。  ずぶ、と勢いよく肉柱を送り込むと、女は身体をしならせた。 「はうっ……あぁ、誠二郎……っ」  夢に見た花園に己を突き刺したが最後、無防備な肉の隘路は吸着力を増し、男根がそれをかき分けて潜るたびにきつく吸いついてくる。うねる肉壁に締めつけられて食いちぎられそうだ。  盛り上がった尻をがっちりと掴み、加減なく律動をはじめると、もう止まらなくなった。男の下腹部に打たれる大きな双丘がぶるんぶるんと震動する。 「誠二郎っ……あぁっ、いいわ、熱いぃ……」  女はすっかり愉悦し、情けない喘ぎ声をあげて腰を震わす。ふいに、首を後ろにひねった。 「ずっと、ずっと、誠二郎が欲しかったのぉっ……」  涙をためた片目で男の視線をしっかりと捉えながら、女は切に愚かな想いを放った。後ろに手を伸ばして男の腕を掴もうとするも、容赦なく突き上げられる身体は揺れ動き、その手は弱々しく空を掴む。
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