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全身がこわばるのを自覚したとき、ふいに抱きすくめられた。
「……っ、せん、せい」
身体をすっぽりと覆う力強い腕からあたたかな優しさが染み込んでくる。
「ごめん」
耳をくすぐる熱い吐息まじりの声。ぞくりとして息を呑むと、身体が少し離された。
その手で今度はしっかりと両頬を包んできた藤田は、目を見てもう一度「ごめん」と苦しげに呟いた。その深いまなざしに心奪われて放心していると、また激しく抱きしめられた。
その謝罪にどのような意味が含まれているのか、今は考えたくない。たとえすべてが偽られたものだとしても、今感じているこのぬくもりだけは、きっと――。
真意のわからない男の胸の中に身をうずめながら、潤は刹那な安堵を享受することで自身を慰めた。
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