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有無を言わさぬような行動に圧倒され、潤は胸を両腕で隠したまま立ち尽くす。寒さか、それともほかのなにかのせいか、透けた薄布にかろうじて隠されている素肌が粟立つのを覚える。
言葉なく、無骨な手が襦袢の腰の結び目に触れた。紐をほどく藤田は無表情で、なにを思っているのかわからない。
目が合った。一度だけゆっくりとまばたきをした彼は、目元に薄い笑みを滲ませ、腕を優しく掴んでくる。
「嫌ですか」
静かに問われた。その低い声は深い色を纏い、じっとりとした甘い空気を含んで、腰の奥を揺さぶる。
潤はひかえめに首を横にひねり、掴まれている腕を自らの意思で下げて胸元を晒した。
降ってくる視線の質が変わった気がしたとき、肌と布のあいだに差し込まれた手が襦袢を肩からするりと下ろした。潤は腕を上げることなく、薄生地が素肌を滑り落ちる感触を受け入れた。
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