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「今夜まではお預けです」
「……今夜」
「うん。あなたを抱くのを楽しみにしています」
秘めた欲望を静かに打ち明けた藤田は、髪に唇を滑らせたり口づけたりしてくる。
触れている肌がじんわりと熱くなっていくのを感じる。今夜――淫夢が現実になるのだと思い知らされる。
「今度はゆっくりと、大事に抱きたい。壊してしまわないように」
優しい、だが情欲をかき立てる低音がついに思考を溶かした。
「だから、今は我慢して」
発された言葉とは裏腹に、ほんの少し藤田の腰が動いた。ある一点に向かって突き出すように。
一瞬だけ露わにされた男の劣情は、このまま流れに任せてするよりずっと扇情的で、これから狂おしいほどじれったい時間を過ごすことになると潤に確信させるのだった。
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