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掛け布団をめくり、愚かで愛おしい妻を誘う。
「潤。こっちに来て」
「え……」
「早くおいで」
「でも」
「いいから早く」
腹の底に湧く焦燥に急かされるまま鋭い口調で誘導する。真意を探るような目をよこす潤に少々苛立ちを覚え、膝歩きでのそのそと近づいてきた彼女の腕を強く引いて布団の中に招き入れた。
さわやかなシャンプーの香りが鼻をかすめる。風呂上がりの火照った身体が冷えてしまわないよう、抱き寄せて布団ですっぽりと覆ってやると、腕の中で潤が気まずそうに目をそらした。
「今度、宴会のお客様が入るのよね。忙しくなるんでしょう?」
「だから今のうちに癒して」
言うが早いか、パジャマの上から小ぶりなふくらみをまさぐると、潤がわずかに身を引いた。その行動が誠二郎をますます苛立たせた。
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