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桜色のパジャマはめくれ上がり、しなやかに反り返った白く美しい背中を露わにしている。誠二郎は妻の背に覆いかぶさるようにして身を屈めた。
膝を折りたたんで伏せる細い身体の上で、動物の交尾のように腰を打ちつける。ふだんならいくつか体勢を変えながら最終的に向き合ってするのだが、もうその余裕がない。
高くなっていく彼女の喘ぎ声、濡れた肌のぶつかり合う音が静かな和室に響く。
「ああっ、潤、このまま出すよ」
腕の中にある身体が一瞬こわばったように感じたが、考えている暇などなかった。切迫した欲望が理性を突き破り、彼女の奥へ放たれようと暴れだす。
「今度こそ、できるといいね。俺たちの……」
「……っ、あぁっ、あ、うっ、うぅ……」
小刻みに身を震わせはじめた潤の喘ぎは乱れ、最後は泣き声のようになった。
誠二郎が最深に白濁の生命液を放出し、脱力したあとも、彼女の身体の震えはしばらく収まらなかった。シーツに顔を伏せたまま、妻は本当に泣いていたのかもしれない。
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