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20××年、スマホのSNSゲーム「ダンジョンマスターで冒険者」なるタイトルで聞いた事の無い会社が事前登録を発表した。主人公の少年は最近スマホを買ってもらったばかりで物は試しと事前登録する。
同級生の子達は小学生の頃から持っていて、SNSゲームは一部無料と言う名の課金ゲームだと痛感しており、日々お小遣いの行き先がSNSゲームに持っていかれていると嘆いていた。
そんな中、事前登録したゲームは課金要素がキャラクターの追加登録のみととても良心的なものに見えていた。
そしていざサービスが開始されると、一部の課金者が既にキャラクター追加登録数3桁を超える程の熱狂振りを見せており、主人公は何故?と思う。
1人目のキャラクター登録は無料で行える為、作成して始めてみるとその理由が判明する。ダンジョンマスターになり、ダンジョンを作成する為にはダンジョンポイントを消費する必要があり、事前登録でダンジョンポイントを貰っていたがあっという間に使い切ってしまったのだ。
サービス開始直後のせいなのか、ダンジョンポイントを稼ぐ方法が自らが冒険者になり、他人の作ったダンジョンに挑むか、毎日のログインボーナスで得られる微々たる物しか無かったのだ。
その為、いち早く仕様を把握した何処ぞのお金持ちが、ひたすらキャラクターを追加登録してダンジョンポイントを荒稼ぎし始めたのだ。
お陰でその人のダンジョンは僅か数日で50階層のダンジョンになり、連日他のダンジョンマスターで冒険者になった人達が殺到した。週間ダンジョンランキングは当然ながら1位。掲示板に書き込まれたその方法を知った課金勢がそれを真似し始めたらあっと言う間に売り上げランキングに載る程のSNSゲームになっていた。
噂を聞きつけた同級生達もやり始めて、益々賑わうゲーム。しかし、主人公は未だに無課金で細々とゲームを続けていた。周りから置いてかれながらも、試行錯誤で自らのダンジョンを成長させる。
いつしか、無課金勢の事を勇者と呼ぶようになり、課金勢を魔王と呼ぶ様になる。果たして主人公は勇者のまま己のダンジョンを何処まで成長させられるのか?
「ダンジョンマスターで冒険者」が他のSNSゲームと同じくガチャ要素を加わえてしまわないか。全ては神のみぞ知る!
主人公
外之原溢(とのはらみつる)。中学生になったお祝いでスマホを手に入れ、初めて遊ぶSNSゲームがコレ。今の所無課金勢。
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