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『酷いことを言われたとか。
ましてや、嫌いになったということでも、別にない。
ただ、私は、この人たちに好かれていないと、思ったんだ。
嫌われてない、というのが正しいかも。一緒にいてもいい。一緒にいることは問題にならない。だけどそれだけ。一緒にいたいとは、思われていない。
いてもいなくても一緒。そういうこと。
彼ら彼女らには大切な人が何人かいて、それは夫であり、嫁であり、親友であり、様々。そのどれもに私は入っていないし、これからも、入る予定はない。
悲しくないのが、不思議で、それに気がついてから、私はずっと考えていた。
だけどさっき、結婚式の二次会が終わって、流れでカラオケに行って解散して、アー楽しかったーって、つかの間の多幸感を味わっている時に、体の奥の方に、すとんと落ちてきてしまった。
ああ、私もこの人たちのこと、特に好きではないんだって。嫌いじゃないけど、喋ったり遊んだりするのに、この人たちである必要がない。誰でも代用出来てしまう。それが理由なんだって。
問題は他人じゃなくて、私にあったんだ。
寂しいのに私は誰にも相手にされない、なんて、勝手に拗ねていたけれど、ああ、そうか、そうか。私が寂しいのも、そういうことかって。
私は一人なんだ。
私は、誰も好きじゃないんだ。
なるほどね。納得。
電車に揺られて、最寄り駅について、コンビニで酒をいくつか買って、家に着くのを我慢せずに一本すぐに空けたけど、全然酔える気がしないんだ。
最近の虚しさや寂しさの理由がわかって、とてもすっきりした。そのはずなのに、どうしてだろう。体が上手く動かない。惰性で家に帰っている感覚。この体を、私は動かせていない。
私はもう、壊れてしまったのかもしれない。いいや、もっとずっと前から、騙し騙し生きてきたのかもしれない。気づかなければ、もう少し、生きられたのに。
誰か、私を直してくれる人は、いるかな。
いいや、いない。だってこれは、私の問題だから。
私しか、直せない。
直せる気も、全くしない。
だから、これは、私の問題。
私がいけないだけで、皆は、悪くない。だから、気にしないでね。
今まで、こんな私に時間を使わせて、ごめんね。
なんて、私に時間を使った人なんていないか。
自意識過剰でごめんね。
それでは皆様さようなら。幸せにね。言われなくとも、そうだろうけどさ』
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