0人が本棚に入れています
本棚に追加
○
この手紙を残して、この手紙を書いた本人は消えてしまった。
近くにある自殺スポットの樹海に入って行ったのだろうと言われているけれど、俺はそんなの信じていない。
だってあいつは、自分は死ぬのが怖い臆病者だって、笑ったんだ。
自殺が出来る人を心底、垣根なしで尊敬すると、薄暗いが、確かに羨望の眼差しを向けていた。
だから、どうにも俺は、信じられないんだ。
なあ、今も何処かにいるんだろ?
この世界に苦しみながら、それでも死ぬのは怖いって、涙を流さずに泣きながら。
俺はお前を、忘れないよ。
了
最初のコメントを投稿しよう!