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「なんでぇ?!ハナちゃん、ちょいと俺に厳し過ぎやしねぇか?」
「なら、お前は、これを読んで意味がわかるのか?」
「全然。さっぱり解りゃあしねぇ。」
ボカッ!!
「いっっってぇーーーー!!!!何しやがる!!」
「馬鹿に付き合ってられん。…他の皆様、どう思われますか?」
英さんは、瑠璃さんなんかそっちのけで訊ねる。
「そうですねぇ……。でも、瑠璃くんのも良い線はいっていると思うよ?」
先に口を開いたのは官兵衛さんだった。
「少なくとも、最初だけはね。そこから先は………まぁ、突っ込み所満載ですが…。」
「…んだとぉ…?この、変わりモン野郎!!」
瑠璃さんが官兵衛さんに飛びかかろうとするその時だった。
「『服従色・藍鉄』」
英さんがそう言うと、指先から深い青色の絵の具のような液が出てきて、それを瑠璃さんの口へ向かって飛ばした。
ベチャッ!!
「!!おいコラ!!何しやが………」
当然の事ながら、瑠璃さんの口は青く染まった。
だが、驚くべき事は、あれだけ頭に血が上っていた瑠璃さんが急に大人しくなり、俯いて床一点だけを見ている。
「アンタは暫くそうやって大人しくしてて。」
英さんは得意げに言う。
「英さん、瑠璃さんに一体何をしたんですか…?」
「どうかお気になさらず姫様。大丈夫、死にゃあしない。」
「そうですか…。」
ニコニコしながら英さんは言っていたが、英さんの目の奥は笑っていなかったように見えた。
「度々申し訳ございません官兵衛様。邪魔は黙らせたので、どうぞお続け下さい。」
「…あっ、ありがとう…、英ちゃん。……で、俺どこまで話したっけ…?」
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