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一度、決意を決めたルディは血の滲むような努力をした。
そして、都メルクでも難関とされている国立の教員養成学校に見事合格した。
「ルディ……それ、って」
ルディは、放心したようになって彼のことを見上げているリタの赤い唇を指で押さえると、「……五年後、夢を叶えて帰ってきたら、ちゃんと言わせて」と照れ臭そうに微笑んだ。
ルディがケレイスを出て行って二年後、女学校を卒業したリタは地元のレストランに就職して、彼からの便りとたまの帰省を励みに、日々健気に働いていた。
そうして、あっというまに三年が経った。
ルディは、あの宣言通り、教師になるという夢を叶えて故郷の街に帰ってきた。
五年前にケレイスを出て行った時よりも随分と背が伸びていた。
「ただいま、リタ。僕の、お嫁さんになってください」
やわらかな日差しの下、真っ白なウエディングドレスを身にまとってはにかんだように微笑んでいるリタを、ルディはこの世界で一番に愛らしく美しいと思った。
ケレイスで誰からも祝福されながら誓いのキスを交わした二人は、虹色に輝くような幸福に包まれて、天にも昇れるような気持だった。
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