そこに僕らはいた。（２）

小休憩

　「先輩～！コピー機が紙詰まりしましたぁ～」
　「あぁ！？しかたないわね、それくらい自分で直しなさいよ」
　そんな声が隣の部屋から聞こえる。
　まったく、そのとおりだ。
　コピー機ぐらい、自分でなんとかしろと思ってしまうし、わたしだったらできなくてもしようとするだろう。
　そんなわたしは甘え下手なのかもしれない。
　小悪魔的な女とは真逆の性格。
　女にも男にも弱みを見せることができない。
　だからって男勝りだとは思っていない。
　なんだかちょっと違う気がする。
　先程自分で淹れたブラックコーヒーで小休憩をしながら思う。
　でも正直、彼氏はほしいかな。
　みんなどうやってつくってるんだろう。
　わたしとうまくいく人なんているのだろうか。
　尻に敷かれるタイプ？
　いやいや、わたし自身は相手をたてるタイプだと思ってるけど？
　じゃあどんな人がいいんだろう。
　仕事中だというのに、どうでもいいことが頭を巡って離れない。
　職場結婚は嫌かな、とか。
　ほんと、どうでもいいこと。
　でも、そういうことの方が大事なときもあるのかもしれない。