そこに僕らはいた。（２）

みんな幸せになれよ

　うまく生きている（ようにわたしからは見える）人々はいいな、と思う。
　楽しそうにしているのを見ていると、なんだか、すごく、穏やかになる。
　穏やかとは少し違うのかな、あまり言葉を知らないもので、どう表現すればよいのかわからないのだけれど。
　楽しそうに、幸せそうにしている人々を、私が外から眺めていて、「よかったね」て心から思う感じ。
　皮肉とか、そういうものではなくて。
　わたしの代わりに、もっと幸せになれよ、と思う。
　わたしが幸せでないとか、辛いとか悲しいとか、そう感じているわけでもないし、他人にそう思われ同情されたいわけでもない。
　ただ単に、よかったね、と。
　だから、人の近くにいることは、辛いけれど辛くない。
　楽しそうにしている人を外から眺めているのが、いい。
　でも、あの輪の中に私が入ることは決してないんだと思ったとき、すこし、辛い。
　これは特定の他人に対してではなく、わたし以外のすべての人に対して思うこと。
　わたしはきっと、ずっと、世界中のあなた達の仲間にはなれないと思う。
　みんな幸せになれよ。