わたしのせかい

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わたしのせかい

 わたしの言動の90%は嘘偽り受け売りである。  本当のことなど何もないといってもよい。  あとの10%はというと、コーヒーはミルクも砂糖も入れないほうが好みだということと、痛みは本物だということ。暑いと感じること、寒いと感じること。  自分の好き嫌いを感覚的に感じることはできるが、善い悪いは判断できない。一般的にどう考えるべきか、考えられているか、なんて更にわからない。  他人の考えていること、感じていることなんて、理解できるわけがない。  それなのに、無意識のうちに他人に縛られている。  常に一人でいるのに一人ではない。  こんな面倒なことがあってたまるか。  この際、思い切ったことをする。    わたしは業務スーパーで一月分の食糧を買い込んだ。  そして、自宅へ戻り、食糧をあるべきところへ、つまり、冷蔵庫や暗所へ片付ける。  一ヶ月間、わたしは外出しないことにした。  テレビも見ない、新聞もとらない、雑誌も本も読まない。  完全にわたしの世界に。    その後のわたしは、どうなったと思う?
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