君頼り

1/1
前へ
/15ページ
次へ

君頼り

 本当に頼らなければならないときに頼れないわたしはなんなんだろうね。  こんな気持ち。  こんな表情。  ほんとうは君に伝えなくてはいけないのかもしれないと思うけれど。  伝えようとすればするほど、心が閉じてゆく。  君を頼るべきだと、君も頼って欲しいと思っているだろうと思うのに、それができない。  どこかで、君なんか頼りにならないと思っているわたしがいる。  頼ってしまうと君が逃げていってしまいそうで怖いの。  君には、わたしのことを一番知っていてほしいのに、一番遠い存在に思える。  君以外の誰かのほうが、わたしのことをよく知っている事実。  君にとって、わたしはなんなの?  わたしにとって、君ってなんだろう?  自分の中で堂々巡りして、頼る前にそれを伝えなきゃいけないのにそれも伝えられなくて。  ほんとうはわたしのことをもっと知ってほしいのに。  どこまでも続く螺旋階段。  
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加