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女子会
v わたしは中学校からの親友と食事をしていた。
ふたりだけの女子会。
「結局、あのひとは最後まで褒めることをしなかったわ」
友人が言った。
彼女は、先月、三年間付き合っていた同年代の彼氏と別れたらしい。
わたしは聞き役に徹していた。
はいはい、と慰める。
あえて言葉は挟まなかった。
「嫌なやつだったけど、結局、嫌なところまですべて好きだったのよ」
もう一月も経つのに、彼女は彼のことを忘れられないようだった。
「わたしも馬鹿よね」
わたしはビールを呑んでいたが、彼女は素面だった。
元々、アルコールを受け付けない体質らしかった。
彼女はよく喋る方だったけれど、素面のくせにいつも以上にぺらぺらと口を開く。
こうやって発散させてやれば、また新しい恋ができるのだ。
わたしは、アルコールの回った頭でそう考え、彼女を好きなようにさせていた。
わたしにもこんな風に発散方法があったらいいのにと羨ましく思いながら。
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