貴方に似合うのは赤い薔薇

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「貴女のことが好きになりました。俺と付き合って下さい。」 「.......はい、私で良ければ..」 丁度、1年前の今日、『私』は彼からの告白を受けて 彼女になった。 付き合ってからは、ほぼ毎日のように時間を合わせては会うようにしていた。 でも、付き合い始めてから3ヶ月くらいしてから もっと一緒に居たい、と思うようになって、 私達は早くも同棲を始めた。 家に帰ってからご飯を作って、一緒に食べて たまーに一緒にお風呂に入ったりして、 同棲気分を楽しんでいた。 でも、1番好きだった時間は お風呂上がりに彼の好きな映画を一緒に見ることだった。 映画は興味がなかったからあんまり見ていなくて、内容が頭に入ってこないことが多かったけど、 色んな映画を見ながら、 そんなに面白いのか笑いながら、 「これ面白くない?」って言いながらくしゃっとした笑顔で こっちを見る子供っぽい笑顔 よっぽど感動したのか、泣き過ぎて 目が真っ赤になったときのヒドイ顔 主人公に感情移入し過ぎて、喧嘩のシーンは自分まで 顔をしかめて怒っている表情をしたり、 悲しそうな顔をしたり、 自由自在にコロコロ変わる彼の顔を見る時間やその空間自体が私は好きだった。 そして、映画を見終わってから 私を見つめて、 赤面を見られるのが恥ずかしいのか、私に抱きついて赤ら顔を見られないように隠しながら、 耳元でぽつんと呟くように言ってくれていた 貴方の「愛してる」が大好きだった。 丁度、半年くらいが経った頃には、 私の誕生日も重なって、彼がサプライズでケーキを 作ってくれた。 かなり不恰好で、これ分量あってる?って思うくらい 甘い苺のショートケーキだったけど嬉し過ぎてそれどころじゃなかった。 あとは、4本の赤い薔薇が綺麗に束ねられて綺麗に ラッピングが施された花束をくれた。 私はふと思った疑問をぶつける。 「ねえ、薔薇の花、何で4本なの?」 1本だけの赤い薔薇なら映画だったりドラマでよく見かける。 けど、4本の赤い薔薇が束ねられた花束を見るのは初めて だった。 「俺だけの秘密だから教えてやんね。」 えー、なにそれ。って言い返して 今度調べてみようかなあって思いながら、 近くのお花屋さんに電話をした。 生花だと枯れちゃうから、 プリザードフラワーにして綺麗なまま取っておこうと思った からだった。 それくらい私は貴方を大事にしたかった。
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