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風の刀を使い、護衛とともに、塀を越える緑川。
「ほう。まだその呪われた刀を持って短いというのに、そこまで使いこなすとは、見事なものだ。」
ある者が塀の上に立ち、緑川に話しかける。
「「猿」の調べで、勇者が現れたことは解っていた。関所に警備を多くしておれば、風の刀を使い、塀を越えてくることも。」
「そして、この箇所だけが、警備から見えない死角だったと。」
「ほう。気付いておったか。」
塀の上にいた者は、感心したように緑川を見つめる。
「いや、気付いてたわけじゃない。ただ、警備から見えないからここを選んだのは事実だし。だけど、気付いていたら、この護衛の人たちにも迷惑かけたしまうことになるし。」
護衛を見ながら、緑川が話す。
「ほう。なるほどな。ちなみに、情報を伝えた「猿」には、そなたらの本拠地に向かわせてある。」
「な!?あそこにはまだ、白木がいるのに!?」
「まあ、まずは自分の心配をすることだ。」
塀から飛び降りりながら、巨大な緑色の龍へと姿を変える。
「さて、「緑の勇者」よ、何人守りきれるかな?」
「5人の護衛も、後ろから来ていた3人も守ってみせる。」
「ならば、この技を凌いでみせよ!」
「龍」の声とともに、黒雲が広がり、5人の護衛がいた場所と、3箇所に雷が落ちる。
「さてと、これで本音で話せるか?」
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