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「疲れたであろう。近くにある「兎」の城で休むとしよう。」
「龍」が再び龍の姿に変わっていく。
よく見ると、爪と尻尾の部分に刀が付けられている。
「乗るがいい。」
「龍」は、背中を出すが、
「いえ……」
「どうした?まだそこまで信用はしていないか?」
「いえ。信用していないわけではないのですが、白木や炎のことが心配で、できるならそっちの方に行きたいのですが。」
「よかろう。ただ、「虎」の配下の街はここから遠い。まずは、「猿」の城まで行ってみるか?「猿」のことだ。もう「白の勇者」を連れ出していることだろう。」
「龍」の背中に乗る緑川。
「龍」は雲を切るように進んでいき、すぐに「猿」の城までたどり着く。
「「猿」はな、私の配下といっても、情報伝達のために他の街にも行き来しておってな、私以外にも「鼠」や「犬」のためにも働いている。「魔王」もその仕事ぶりには信用を置いている。」
山と川に挟まれた平城、それが「猿」の城だった。
だが、「龍」の言葉とは違い、「猿」は不在。
「中で待つか?」
「龍」がそう聞いたとき、傷だらけになった「猿」が城にたどり着く。
「すいません。「白の勇者」は連れ出したのですが、手傷を負ってしまいました。」
「猿」が、「龍」と緑川の前で倒れこむ。
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