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「おじさん!」
「来るな!「馬」の様子がおかしい。毛色や行動もそうだが、いつも以上の速さを出しておる。」
「虎」は、ゆっくりと立ち上がる。
「虎」は、爪(刀)を出して戦闘体制に入る。
「待って!」
赤岩が黒い「馬」と「虎」の間に入る。
「元の姿に戻すためにオレも戦う。」
「グォオオオ!」
炎の刀から少しずつ火が燃え上がる。
黒い「馬」は、赤岩に突進しようとするが、炎の刀から出た炎の壁により遮られる。
赤岩の目から一筋の涙が流れ落ちる。
赤岩の周辺が勢いよく炎を上げていく。
赤岩の出した炎をかいくぐりながら、「虎」は赤岩の方に進んでいく。
「のう、「馬」を助けるためとはいえ、戦いたくはないのだろう。いや、例え戦おうと思ってもそう簡単に決意はできぬもの……まだ若いのだからそれでいい。そこで見ておれ……ワシがお前の分も戦おう。」
「うん。」
赤岩が小さく頷くと、炎が「虎」に集まり、「虎」は、赤い「虎」へと変わっていく。
炎を纏った赤い「虎」は、黒い「馬」の額の刀を、右腕で受け止めると、黒い「馬」の動きが止まる。
赤い「虎」の体から出てきた炎により、「馬」の体から黒い石が出てくる。
黒い石は炎に焼かれ消えていく。
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