「虎」

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「虎」の肩に乗り、「馬」の城を目指す赤岩。 「お前は、ワシら部隊長12人が、全員「魔王」の配下と思ってるかもしれぬが、それは違う。「魔王」の直属の部下となるのは、ワシと「鼠」と「龍」。ただ、ワシや「龍」よりも古くからの付き合いのある「犬」と「蛇」が側近として付いている。中でも「蛇」は「魔王」にも意見できる存在だ。ワシと「鼠」と「龍」には、それぞれ2名ずつ直属の部下がいる。ワシの部下は、「馬」と「牛」、「鼠」の部下は「鳥」と「猪」、「龍」のヤツの部下は「兎」と先ほどの「猿」。」 「あれ?「羊」は?」 「おう。「羊」か……ヤツは「魔王」の直属の忍だが、実際に命令をするのは、「犬」のため「犬」の部下と考えても差し支えなかろう。だから、坊主、もし「魔王」を説得するなら「蛇」「犬」「龍」「鼠」への説得は重要になろうな。」 「黒い包帯の人は、「魔王」のことを、冷血なテロリストのリーダーとして説明してたけど、ホントはどういう人?」 「実際もそうかもしれぬな。この世界は、400年ほど前に、黒いマスクの男によって平定された。国は1つになり争いごとも少なくなったが、規制は激しくなり人々は自由を失った。400年前、その黒マスクが使ったのが、人に動物の力を与える忍法と奇妙な力を持つ3本の忍刀。この2つはどちらも、人が使うべき力ではないとして、封じられていたが、あるとき、人に動物の力を与える忍法は盗み出され、世界各地でその力を使い自由を求めて立ち上がったものたちによって作られた12の街の1つが、この街だ。」 「おじさんは、どうやってその力を手に入れたの?」 「ワシを含め、ほとんどの者は、親から特殊な石を受け継いで、親の力を受け継いだ……お!あれが「馬」の城だ。」 「虎」に言われて赤岩が見上げると、 巨大な城の門があった。
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