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「虎」
2018年8月8日、広島県にある江杜島。
島民の数は100人前後だが、小学生は現在小学五年生の赤岩炎(あかいわえん:男)と緑川風(みどりかわふう:男)と白木光(しらきひかる:女)の三人のみ。
三人は、それぞれその名字と同じ色の服を着ている。
今後、小学校に通う生徒もいなくなるため、今年廃校になることが決まっている。
当初の予定では、三人が卒業するまで学校を残すはずだったが、学校の老朽化による倒壊の心配から今年廃校になることが決まった。
反対する声もあったが、二学期から本土の小学校に通うことに決定した。
二学期で環境が変わる前にと赤岩が企画したのは、三人で行う二泊三日のキャンプ。今日はその初日だった。
三人は、島が観光用に用意したが5年で二人ぐらいしか使わなかったコテージを掃除を終えると、コテージ近くの平原に行く。フリスビーで遊ぶ赤岩と緑川。それを木陰で見ている白木。
そのとき、突然巨大な光が出現し、赤岩がまずその中に吸い込まれると、二人もそのまま光の中に吸い込まれていく。
赤岩が目を覚ますと、そこには、黒い包帯を巻いた僧がいた。
近くには、見たこともない仏像が飾られている。
「ここは?……二人は?」
近くに二人の姿はなかった。そこにいたのは、黒い包帯の僧だけ。
「心配されるな、勇者様。」
「勇者?」
「はい。あなたたちには、「魔王」を倒すために、この刀を使って十二体の部隊長を倒していただきたいのです。」
渡されたのは、小刀。
「こんな短い刀で?」
赤岩がそう言いながら刀を持つと、刀から火が勢いよく出てくる。
「その刀は、今から400年ほど前に作られたもので、勇者様たちだけが強力な力を発揮するのです。」
「……」
「どうか、その刀で「魔王」の討伐をお願いしたい。」
「まだ実感はわかないけど、困っているなら助けるよ。」
「おお、助かりますぞ。では、「魔王」の勢力について詳しく話させていただきましょう。」
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