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「そんなん言っても抜かないぞ!!どうせお前ヤバイ武器だろ!!武器って喋らないもん!!何言われても騙されないぞ!!」
『ふぅむ。君はこのまま、ただの村人で良いのか?心躍る冒険、美少女に囲まれ、ゴールドもウハウハな生活に……憧れないのかい?』
「そんな非現実的な話を誰が信じるもんか!!……ところで、ゴールドもウハウハって、どれくらいウハウハなの?」
『おーぅ……(こいつ年の割に金銭欲の方が強いな)。そりゃもう人生10回は遊んで暮らせるさ!!だから俺をこの台座から抜いてくれ……頼むよ……』
「ははっ!!良く聞く決め台詞だな、具体的な金額言わない時点でお察しだわ!!じゃあ俺村に戻るわ。」
『ま、待つんだ少年!!わかった、具体的には……これを見てくれ。』
武器がそう言うと、傍に転がっている屍の上に何かの魔法陣のようなものが浮かび上がった。
そこに、金貨だらけの部屋で全裸の女性達をはべらせている青年が高笑いを上げながら肉やら酒やらを煽っている光景が浮かび上がる。
「すげー!!おっぱいだ!!でけぇ……!!わわわ……そんな所まで……!!」
『どうだ?すごいだろう?(こいつ金について教えろって言わなかったか?まぁいい……)すごいぞ、俺は。俺を台座から抜くだけで、ただ持っているだけで……おっぱいがたくさん拝めるぞ……』
「親父が昔、街でそういうお店行ってゴールドをなくして御袋に土下座してたけど、そんなんならん?」
『あぁ……もちろんだ……。しかも冒険者になれば最上位は間違いなしだ……美女のおっぱいに囲まれ、ゴールドも有り余る程に手に入る。さぁ、俺を抜くんだ……。』
「う~ん……最上位の冒険者になれて、金もおっぱいもかぁ……」
『そうだ……俺と相まみえる運命の時点で、ただの村人で終わるような器ではないんだ、君は……(後ひと押しで抜くな、このガキは)』
「……う~ん。お前呪われてたりせんよな?昔話で呪われた武器装備した人が凄惨に死ぬ話があるんだよ。」
『え?……あ、うん。大丈夫だよ』
「じゃあ抜くわ。ほい。」
【 ズオー は だいざ から けん を ひきぬいた !!】
――……そうして、俺の。
【デンドンデンドンデンドンデンドン デレンドロン!!】
【 ズオー は のろわれて しまった !!】
呪われた武器との奇妙な冒険の幕が上がるのであった……。
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