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洋平は、どうせ夢だと思い、洗いざらい話した。舞葉のこと、作家の芽が出ないこと、妊娠のこと、これからどうすればいいか悩んでいること。北川は「ええ」「おや」「そうですか」を繰り返し、熱心に、そして穏やかに聞いているだけだった。ひと通り話し終えると、
「小牧様、それは大変な時期でございますね。シェフ北川の気まぐれ鬱憤プランでよろしいかと思いますよ、小牧様は初めてですから1万円でご奉仕させていただきます」
「え?話を聞いてもらうだけじゃないんですか?」洋平は訊いた。
「とんでもございません、サービスはこれからでございます」
「い、いったい何をしてくれるんですか?」
「では、気まぐれプランですのでいまからわたくしがご提案さしていただきます」
北川は、やっと自分から語り始めた。
*
洋平は鬱憤館のある雑居ビルの8階にある部屋に案内された。
「それでは小牧様、今日から3日間、この部屋で頑張ってくださいませ。お話しした通りです。外からカギがかかっていますので事実上の監禁です。お食事はこちらから定期的にお運びします。くれぐれも誓約書のサインをお守りください、では」北川はガチャリと扉を閉めた。渡された紙にはさっき話した提案が書いてあった。
今日から3日間のあいだ、貴殿と舞葉さんのこれからの
ラブストーリーを40000字(原稿用紙100枚)
以上で2つ書きあげること。
1つ、舞葉さんが子供を産む場合
2つ、舞葉さんが子供を産まないといった場合
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