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僕は先輩が嫌いだった。
気の弱そうな新人を見つけては、ストレス解消に使う、そういう性根の腐った人間だと思っていた。
この会社に入って三ヶ月、僕は先輩に人間扱いされていない。しごきとは名ばかりの、ただの後輩いびりだとしか思えなかった。
「おい、まだ一つも契約取れないのか。お前、それでも大学出か」
「すいません」
「すいませんじゃなくて、何か気の利いた言い訳してみろ」
「すいません」
「かあーっ、駄目だこいつ」
先輩は吐き捨てるように言った。何故ここまで言われなくてはならないのだろう。僕にだってプライドはある。日に日にストレスが積もっていった。
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