新人研修

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 僕はプライドを捨てた。  毎日駆けずり回って、あちこちで頭を下げまくっている。辛くないとは言えないが、毎日が充実しているのは間違いない。  それから僕には覚悟ができた。いつか僕に後輩ができて――とんでもない失敗をして帰ってきたら、僕は先輩のように謝ろう。許してもらえるまで、頭を擦り付けて、謝ろう。  後輩は失敗するもの。先輩は謝るもの。  つまらないプライドなんていらない。世間体もくそくらえ。  大事なのは自分の仕事をするか、しないかだ。  僕はそれを、大嫌いだった先輩に、教わった。  (了)
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