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こいつ、馬鹿のふりしてるが、こいつが即位したら国が危険。アリエールは心から思った。こいつに覇権を握らせてはいけない。
「ルルコット。どうしましたか」
「わー。ユノ綺麗。ジュースが出来たよ。時間が経てば治るけど、これ飲めばすぐ戻るよ」
「だそうだ。ルルコットはいいよ。治るまで放っとく。見た目大した変化無いし。お前等は飲め。今すぐ」
「私は綺麗じゃないですか?先生」
ジョナサンは、言葉に詰まった。しばらくしてから、吹っ切れたようにこう応えた。
「ああ、綺麗だよ。可愛いよお前は。でも、お前は俺の生徒だ。先生が生徒より年下じゃ示しがつかんだろうが」
ユノは満足げに頷いた。
「解りました。先生。私は、普通に成長して先生にまた会いたいです。ルルコット、ジュースをください」
ジュースを受け取ったユノは、一気に飲み干した。
「ぎにゃあああああす!」
「うげあああああああ!」
こいつ等も飲んだ。
そして、起きた事態にジョナサンは言葉を失った。
「ちっこくなった。全員。ちっこくなりすぎだああああああああああああ!」
ドレスが脱げて、スッポンポンの、生徒達がいた。
「ぎゃあああす!先生!何とかしてくださいまし!」
「調整失敗です。20歳若返っちゃいました」
「もう治るまで放っとくしかないだろう」
4歳児のユノに、上着をかけてジョナサンは息を吐いた。
ちっこすぎる生き物達が、揃ってジョナサンを見上げた。
カワユイ。カワユイけれども。
何この幼稚園ひまわりガールズ。
「本当に幼稚園ですわ!ルルコット!覚えていなさい!」
「ダーリン。ダーリン抱っこ」
「急に年相応になっても遅いですわ!語るに落ちてますわ!」
「先生。ぎゅーっとしてくれていいですか?」
ユノは、ずっとそれを求めていたのだった。
ジョナサンは、まっすぐ見つめる小さな命を、優しく抱きしめた。
ユノは、大好きな先生にぎゅーっとされてとても幸せな気持ちになった。
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