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邪悪な羽
崩壊したカジノに、レディーパピヨンは立っていた。足元には、役立たずの死体が山積みになっていた。
「けけけ。どうすんだ?レディーパピヨン。俺がいっちょ殺してこようか?」
いいわ。彼女は言った。
光の柱。それで解った。ゴーラを倒した力。ゼニスバーグを屠った異形の力。
その持ち主が誰なのか。
そう。ユノ。貴女なのね。
「これは私が責を負う問題よ。最初、私は彼女を堕落させるつもりだった。あの純粋さでは耐えられない光景を目の当たりにさせて、娼館にでも投げ込むつもりだった。けれど。これは、私の甘さが招いたのよ」
次は逃さないわ。ユノ。私の娘。私の娘なら、毒の羽がふさわしい。美しく、邪悪に染めてみせる。
レディーパピヨンは、瓦礫と化した自分の店を、冷徹に見つめていた
了
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