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羨ましい話だった。サラリーマンの様に安定はないかもしれないけれど、自分で仕事をコントロールしてスタッフも選べるのは途轍もなく羨ましい。
「いや、それでも藤間さんが羨ましいですよ。僕らなんて年中不安定ですから。技術的にも年中変化してるので色々大変です」
そんな言葉を発する割に、やはり柳には余裕が感じられる。柳がバッグの中にちらりと視線を向けて苦笑いする。
何かしらの連絡が入っているのだと思うが、すぐに向き直りビールを口へ運んだ。
「構わないよ。仕事の連絡じゃないのか?」
「仕事じゃないんですけどねぇ……あまり気乗りしない集まりがあってスルーしてるんですが」
如何にも乗り気じゃないといった感じで、もう一度バックの中を覗く。スマホに届いたメッセージをもう一度確認した。
それから顔を上げて私を見て、悪戯っぽく笑った。
「藤間さん、ちょっと顔だけ出すので付き合って貰えませんか?」
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