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インターフォンを押し「柳だ」と告げると広いエントランスの奥にあるエレベーターに乗り込んだ。
最上階のボタンを押すと小さく溜息を吐き、苦笑いを私に向ける。
「どんな連中が集まってるの?」
柳は苦笑いのまま「調子に乗ってる連中」とだけ答えた。高級ホテル並みの静けさで、エレベーターはあっという間に最上階に到着した。
どうやら最上階にはふた部屋だけらしく、左に進む通路を歩く柳に着いてゆく。ドアを開けると、静けさに包まれていた廊下に小さく喧騒が流れ込む。
靴は履いたままで良いらしく、リビングらしき扉の先に進んだ。
「柳っ!来てくれたんだ」
「呼び出しておいて、その台詞もないだろ」
柳が言った通りだと感じた。男達はラフな格好だけれどお洒落なジャケット姿で細長いグラスのシャンパーニュを手にしている。
女達は、そうした連中の取り巻きに相応しく着飾っていた。
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