さよならの理由

2/10
前へ
/10ページ
次へ
彼女が零した涙を, オレは直視することが出来なかった…… 今のオレには, 彼女に掛けてあげられる言葉なんて…… 「っ……!」 「あっ……!」 彼女は唇を噛み締めながら, オレの元から走り去っていく. これでもう,別れなのだろうか……? 大切な何かを俺は…… 手放してしまうのか……? ずっと一緒だと, 繋いだ手と共に交わした約束は, 呆気なく壊れて,終わりを迎えた……. (やってしまった……) 脱力し,その場に崩れ落ちる. 感情よりも先に,目元から涙が溢れた. (こんなことになるなら,もっと頑張れば……くそっ……!!) どれだけ上辺を取り繕っても, いつか歯車は狂ってしまう. オレは…… 自分が犯してしまった過ちを, 激しく後悔しながら, 泣き叫ぶしかなかった……
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加