さよならの理由

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「あれはな……5年くらい前のふ────」 ────突如,図書室内に 大音量でゾンビのうめき声が響いた. 「ひい!? な、なんですうが!?」 びっくりした俺は, 慌ててしまい,イスから転げ落ちた. そんな俺をよそに, 先生はズボンのポケットからスマホを取り出すと, 画面をタッチしてから耳にあてた 「────あ、もしもし?」 「今のが着信音なんですか!?」 俺はイスにしがみつきながら,なんとか立ちあがった. 「……あー,またモッツァレラチーズを頼んだんですか? 500kg……」 「ん!? え!? モッツァレラチーズを500kg!?」 「いやー、本当にすみません,はい,違います違います,はいー」 (なんのお店……チーズ屋……?) 「砕いたオルゴデ○ーラは要らないですね.」 「いや,そんなドラ○エのボスみたいなのは売ってないと思うんですが!? あと,砕いたオル○デミーラの用途が気になる!!! 」 「はい、はい……はい! ありがとうございます,伝えておきますね,ジョージ」 「……ジョージ!? え!? 通話相手誰なんですか!?」 通話を切った真岡先生は,俺を見ながら首傾げた. 「誰って……親が贔屓にしてるピザ屋の店長,前田さん 」 「名前がジョージなんですか……?」 「んなわけ,あの人の下の名前は洋一だよ.」 「どっから出てきたんです!? ジョージは!!」 「俺とあの人の呼び名だよ. あの人がジョージ,俺がクルーニー.」 「2人合わせたら有名な米俳優の名前ですね!!」 「とりあえず母親に連絡入れとかないと……」 「ああ,そういえば,モッツァレラチーズが……とか言ってましたね? なんかあったんですか?」 「うちの母親がネット注文でピザ頼んだんだけどさー」 「はい」 「間違えて,トッピングにモッツァレラチーズ500kg頼んだんだよー,またー」 「そうなんですか……────にはならないですよね!? 明らかにやばいですよね!? ピザよりモッツァレラチーズが主役になってますし,もはやピザの姿形見えないレベルのトッピングになりますし!? あと,またって,初めてじゃないんですかその間違い!!」
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