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???「おはようアンリ。」
見慣れた光景……目の前にはママがいる。前までは三十代とは思えないほどの美貌を兼ね備えていたが流石に老けたのが分かる。
アンリ「おはよう!ママ今何歳?」
ママ「44歳よ!」
アンリ「44歳?っていうと………」
アンリはキョロキョロとカレンダーを探した。
ママ「6年よ!あなたが寝てたのは!」
アンリ「6年か……まー妥当ね!」
ママ「あら、妥当なんていつ覚えたのかしら!」
ママはクスッと笑った。
ママ「また会えて良かったわ!」
アンリは点滴を外すと手慣れた様子で包帯を巻いた。
アンリ「あれ?おじいちゃんは?」
ママ「あっ……そうよね。おじいちゃんは5年前に死んだわ!」
アンリ「あっ……そうなんだ。」
ママ「でもアンリによろしくって言ってたわ!」
アンリ「そう。……少しは覚悟してたから大丈夫。」
ママ「そう。アンリは強いわね!」
アンリ「ママそういえばお花の配達は?」
ママ「いいのよ!アンリが目覚めそうだから早くに済ませたわ!」
ママはアンリの頭を撫でた。
アンリ「所でママ!私は何歳なの?」
ママ「アンリは26歳よ!」
アンリ「そっか、前は20歳でケーキ食べたもんね!」
ママ「そうね!アンリ何か飲む?」
アンリ「お水ちょうだい!」
ママ「今持ってくるわ!」
ママは冷蔵庫に向かった。
ママ「アンリも26か……生まれてきた時はどうなるかと思ったわ。」
アンリの病気はまだ解明されていない。
アンリは小さい頃からよく眠る病気にかかっている。
赤ちゃんの頃は3日~5日眠る事がよくあった。
年を重ねると段々とその期間は長くなり、今回は6年も眠った。
今26歳のアンリだが、日数にするとまだ3ヶ月も起きていない。
そのわりに言葉を理解する速度は早く、医者は「眠っている間に耳は聞こえているみたいですね。」と言っている。
1度起きれば平均で3日前後は起きている。そしてまた眠れば何年も目を覚まさない。
次に会えるのは10年後か20年後か……それまでに私は生きているか……普段からこんな心配ばかりしている。
ママは冷蔵庫から水を出すとコップに入れて持っていった。
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