40歳の夜

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40歳の夜

目が覚めるとそこは暗闇だった。 アンリ「夜?」 ???「8年ぶりだね!」 アンリは辺りを見渡すと見知らぬ男性が立っていた。 アンリ「誰?」 男「驚かせたね!私は医者だよ。」 アンリ「お医者さん?そうだママは?」 男「突然で驚くかもしれないけど君のお母さんは逮捕されたよ。」 アンリ「えっ!逮捕?」 男「今刑務所に服役中なんだ。」 アンリ「なんで?お母さん何かしたの?」 男「疑問に思うと思って手紙を預かっておいたよ!」 男はアンリに手紙を渡した。 アンリ「お母さんの字だ……」 アンリへ アンリがこの手紙を見てる頃はもうママは牢屋に入ってるでしょうね。 本当にアンリには辛い思いをさせましたね。ごめんね。 ママが全部悪いの!もしかしたらもうアンリに会うことも出来ないかもしれないの。 すごく辛いけどこれは天罰だと思って我慢します。世間からは虐待とかって言われたけど本当に違うからね… 最後にこれだけは言わせて! アンリ 愛してるわ ママより アンリ「えっ何これ?」 男「実はですね、ここ8年の間にアンリさんと同じ症状の子が増えたんです。 アンリさんのお母さんが大好きだったアンリっていうお花……実はその花粉を乳児が吸えばこの眠る病気のリスクが高まるって結果が出たのです。」 アンリ「あの花が?」 男「10年以上前アンリって花はまだ一般的ではありませんでしたからこのような症状が起こる乳児はいませんでした。」 男「しかしお花屋さんの貴女だけは違った。」 男「乳児の頃からアンリの花粉を吸ってしまい発症してしまったんですね。しかもその後貴女の母親は児童虐待の容疑で有罪になってしまった。」 アンリ「そんな……」 男「もう母親とは会う事は出来なくなってしまいました。それなのにタイミングが悪くその直後、病気を治す特効薬が見つかったんです。」 アンリ「えっ?」 男「起きている時に飲まないと効果がないそうで今日の日を私はどんなに待った事か……」 男はアンリに薬を渡した。 男「飲みなさい。今まで失った40年の為にも……その意識のない40年を支えてくれた母親の為にも……これからは胸を張って生きて行きなさい。」 アンリは涙を流して薬を飲み込んだ。 アンリ「ありがとうママ……今度カーネーション……プレゼントするね。」
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