乱される

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「高嶺。マッチボックスで誰かが 暴れているらしい。 力弥と俺はもう一つ トラブルの連絡が入ってる店に向かってる。 悪いが 頼めるか。」 ちょうどそのキャバクラの近くで 打ち合わせをしていた俺は 「わかりました。」と早々に電話を切る。 なんだと目で聞いてくる元に 目だけで返事を返し 頭を下げ そっとその場を離れた。 顧客を放り投げさせる訳にはいかない。 元をその場に残し その店まで走る。 店の前でオーナーが慌てた様子で 待っていて 俺の姿を見とめると 「高嶺さん!早く!お願いします!」 急いでドアを開け 俺はそのまま中に走り込んだ。 きゃあ!とあちこちで声が上がり 店の中心でナイフを振り回す男を見つけた。 その手はブルブルと震え 目の焦点は合っていない。 またか。 ここ数日 うちのシマでこういう事が 起こっている。 客同士の喧嘩やヤク中が暴れたり 数人で来店し店中の物を壊し暴れまわったり。 コイツはボーイの服を着ている。 ついに従業員か。 どこから仕入れた。やはり政友会か。。 ヤク中のボーイは俺に気づくと 金切り声を上げ ナイフを正面に持ち こちらに一直線に向かってくる。 目の前に到着する前に 蹴りでナイフを払い落とし 鼻っ柱に正拳を突き入れると 一発で後ろにぶっ倒れ そのまま気絶した。 首根っこを掴み引きずって 店の外に放り投げ その場で坂田に電話をかける。 「・・高嶺です。・・はい。 またです。・・マッチボックスってキャバクラの。 ・・外に放り投げておいたので 回収に来て下さい。・・シマの従業員です。 ・・はい。オヤジに報告します。では。」 電話を切ると すぐに鬼頭から電話がかかる。 「はい。高嶺です。・・やはりそうですか。 ・・はい。こっちは従業員でした。・・ そう考えるのが自然ですね。・・はい。 調整して明日 本家で。・・わかりました。」 鬼頭たちが駆けつけたバーでは 数人のチンピラが暴れていて 力弥が鎮圧し 一人を締め上げ吐かせた所 金を貰って店で暴れるように言われたと 言っていたらしい。 街で声をかけられたと言い 相手が誰かは知らないと答えたようだ。
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