story 2 ~ プロローグ

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愛は 煙草を消し 肩をもう一度 男の腕に押し付ける。 胸も当てて 得意の上目遣いで覗きこむ。 スレンダーな身体でEカップは あたしの最大の武器だ。 しょうがない。 若干プライドは傷つくが自分から声をかけよう。 これだけのいい男だ。 自分から声などかけずとも女は ゴマンと寄って来るだろうし ガツガツしていないところもいい。 簡単にシッポを振る男にも飽き飽きしていたし。 この手の男には甘えていく作戦がいいかな。 でも気安いオンナは嫌いそうだ。 ある程度言葉遣いには気をつけて。。 「こんばんは。 お一人ですか?」 また反応が無い。 「ご一緒しても いいかしら。」 はっきりとそう問いかけたのに この男は 振り向きもしなかった。 かといって身体を離そうともしない。 ぺったりEカップを押し付けても 何も感じていない。 まるであたしがここに居ないみたいに 完全に無視を決め込み 男は 新しく煙草を取り出し火をつけ ゆらゆらと煙を燻らせている。 ちょっとイラッとした。 このあたしが声をかけてやってるのに。 何なの。コイツ。。 一緒に来た男が 横から気弱な声で 「・・あ・・愛ちゃん。どうしたの?」 と聞いている。 どうしたもこうしたもない。 まず お前にはもう興味がない。 他の男の隣にワザワザ座ったのだ。 それがどういう意味かわかりながら 未練がましく 待っているコイツにもイライラし ぎっと睨みつけると 情けない顔をして ウジウジと小さくなった。 何でこんな奴でいいと思ったのだろう。 改めて見比べると 差は歴然だ。 失礼極まりないが やはりこの男を手に入れたい。 愛はもう一度 声をかけようと口を開けた。
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